(8週目)心拍確認と予期せぬプレゼント
7週~8週目は首都圏の近場の外出だけで済み、仕事面のストレスはほとんど無く過ごすことができた。
しかも7週目には、ふとしたきっかけから出勤時間を9:00から9:30に変えてもらえて(その分、退勤時間も17:30から18:00へ変更)、朝の通勤ラッシュのピークを避けることができたのは本当にありがたかった。
そして待ちに待った8週目の検診日。
この日は、心拍が確認できれば、そのまま区役所へ直行して母子手帳をもらおうと思っていたので、会社を一日休んだ。
いつもの通りドキドキしながら診察台に登る。
(診察台に登るのはこれで3回目だが、毎回ドキドキしている)
「カレー部長さん、良かったですね。赤ちゃんの心拍、シッカリしてますよ」
先生の明るい声に、ほっと胸をなでおろした。
先生はその場で超音波の画面を見せてくれた。
確かに、何か小さい白いものが、チカチカと光っている。
私の中で、私の心臓とは違う心臓が動いている…
素直に感動した。涙が出てきた。
「これで第一関門突破という感じですね」
そうなのだ。心拍が確認できれば、ゼロではないとはいえ、流産の確率が低くなる。
この時点で、職場の最低限の方々(直属上司とその上、課のメンバー)には妊娠報告を済ませていたとはいえ、部のメンバーや仕事でタッグを組む他部署の方々にはまだお伝えできていない。
海外出張を課長に代わってもらうなど、すでに変則的な事態がでてきているので、職場にはオープンにしようとこの時心に決めた。
さて、嬉しさをかみしめながらクリニックを後にし、区役所へ移動。
予定通り、妊娠届を提出して母子手帳を受領した。
私の住んでいる自治体では「妊婦面談」といって、妊娠届を出した妊婦に対して、保健師さんが一対一で面談し、妊娠生活に関してアドバイスをしてくれる。
例に漏れず私も、その場で保健師さんと面談することになり、30分ほど、細々とした相談に乗ってもらった。
そして。
「はい、ではこちら、妊婦面談を終えられた方に区からお渡ししてるプレゼントです~」
そう言って係の人がゴソゴソと持ってきたのは、あの有名子供服ブランドファミリアの青い袋。
「えっいいんですか!?」「もちろんですよ~」
中には、肌着やガーゼセット、そして、ファミリアのキャラクターのオモチャ(ラトル)が入っていた。
妊娠してから今まで自分のことで精一杯だったので、このプレゼントが、文字通り初めての赤ちゃんグッズだ。
(私や夫が一生懸命払っている地方税から、このようなブランド品が捻出されているんだな~)と、ひねくれた考えが浮かんだのは事実だが、
自分や家族以外の第三者から、子どもの存在を祝福された気がして、素直にとても嬉しかった。
この可愛いオモチャで遊ぶ赤ちゃんに早く会いたい。
■写真は、実際にいただいたプレゼントです。